講師の紹介

原発をなくす全国連絡会第5回総会方針

2017年 2月 9日
原発をなくす全国連絡会運営委員会

1.はじめに
 福島第一原発事故から6年が経過しようとしていますが、いまだ8万人以上の人びとが避難を続けており、原発事故関連死は直接死の1.3倍の2109人(1/12現在)にまで増え続けています。汚染水対策も350億円の国費を投じた「凍土遮水壁」が機能せず、毎日300トンの汚染水が発生しています。原発事故の原因さえ究明されず、収束にはほど遠い状況が続いています。
 にもかかわらず、安倍政権は原発被害者の賠償打ち切りや避難者の強制帰還の押しつけなど福島切り捨て政治を行い、原発事故などなかったかのように原発再稼働、原発輸出を推進しています。
 私たち「原発をなくす全国連絡会」はこうした状況のもと、全国に原発ゼロの運動を広げ、国民世論を確固たるものとし、政治の争点に押し上げる役割を果たしてきました。その世論と運動の高揚が、福井地裁の憲法13条、25条を論拠とした大飯原発再稼働を認めない判決、大津地裁の高浜原発稼働停止の仮処分決定をはじめ、新潟で原発再稼働を認めない県知事を誕生させるなどの状況を作り出す力となりました。
 とりわけ福島の現状こそ「原発ゼロの必要性を事実として物語っていること」であることの認識を深め、ふくしま復興共同センターとともに、福島切り捨て政治とのたたかいを全国的な課題に位置づけ、「ふくしまの復興と原発ゼロをめざす大運動」として展開してきました。
 また「原発ゼロ」の1点共闘の前進、戦争法(安保法制)廃止のたたかいから安倍政権NOの運動への発展、福島第一原発被害者の裁判闘争支援、原発と人権ネットワークのあらたな原発政策の提言づくりへの協力などをすすめてきました。 
 本総会は、この一年の原発をなくす全国連絡会の取り組みとその到達点をふりかえるとともに、運動の到達点でもある「原発ゼロ」を求める国民運動との共同をさらに前進させ、原発依存のエネルギー政策への回帰、福島の切り捨て政治を許さず、原発再稼働推進と原発輸出に向けて暴走する安倍政権とのたたかいを意思統一することを目的に開催します。
 「原発ゼロ」を明確に掲げる全国組織の運動体としての役割を発揮し、再稼働を許さず、原発ゼロの日本の実現をめざしましょう。

2.経過報告
(1)この1年の経過報告

2016年
1/28   第4回総会
1/29   高浜原発再稼働抗議声明発表
2/6   アピール「福島に寄り添い、3/11を中心に全国で多彩なとりくみを展開し、原発再稼働をストップし、原発事故被害者の切り捨てを許さないたたかいをすすめよう」発表
2/14   安倍政権NO!代々木公園集会&大行進
3/10   大津地裁 高浜原発3・4号機停止仮処分決定
3/26   原発のない未来へ3.26全国大集会(代々木公園) 35000人
4/23   「伊方原発再稼働を許さない4・23in 松山」2800人
4/28   川内原発の緊急停止を求める政府交渉
5/11   原発ゼロを求める署名提出行動
6/2   公害総行動デー東電前抗議行動
6/2   川内原発の停止を求める経産省抗議&個人請願行動
6/18   安倍政権NO!0618新宿大街宣
7/26   第11回連続学習会「自然再生可能エネルギーの普及の意義と課題」吉井英勝氏
8/11   伊方原発3号機の再稼働中止を求める要請書送付
8/12   原発と人権ネットワーク意見交換会
8/12   ふくしま復興共同センターとの懇談会
9/3   なくそテ原発2016柏崎大集会 1500人(連帯あいさつ)
9/6   川内原発即時停止を求める政府要請行動
10/11   第1回新宿イレブン行動(署名宣伝行動)
10/11   ふくしま大運動キックオフ集会
※10〜1月ふくしま大運動キャラバン(都内・原発立地県・周辺県)
11/2   公害総行動デー実行委員会・生業訴訟原告団との懇談
11/11   第2回新宿イレブン行動(署名宣伝行動)
11/12
 〜13
  福島第一原発事故被災地視察行動
11/13   国と東京電力は責任を果たせ!11.13ふくしま集会(福島)1500人
11/13   川内原発は2度と動かさない さよなら原発!全国集会(鹿児島) 2000人
12/12   福島原発被害者の全面賠償・原状回復を求める訴訟の勝利判決と判決行動の成功をめざす12.12院内集会
12/13   第3回新宿イレブン行動(署名宣伝行動)
2017年
1/14   安倍政権NO大行進in渋谷
1/12   第4回新宿イレブン行動(署名宣伝行動)
1/20   映画「大地を受け継ぐ」上映会
2/3   第12回連続学習会「賠償・廃炉費用の負担を国民に転化しようとする政府の動きをどう見るか」大島堅一氏
2/9   第5回総会
2/11   意見広告「とめよう原発再稼働!かえよう福島切り捨て政治!」掲載(予定)

(2)おもな取り組みの到達点
(1)結成から5年、「原発ゼロ」をめざす国民的な運動と共同の発展における役割
・全国いっせい行動を呼びかけ、全国的な運動の広がりと定着に寄与。
・原発再稼働が狙われている全国各地の集会に会として全国に参加を呼びかけ、運営委員会団体からも代表を派遣。(伊方集会・新潟集会・鹿児島集会)
・熊本地震を契機に川内原発の緊急停止を求める政府交渉や申し入れ行動、9月には鹿児島県知事選挙の結果を踏まえて政府交渉を開催。

(2)「ふくしまの復興と原発ゼロをめざす大運動」のとりくみ
 ふくしま復興共同センターとの懇談・協議をかさね、昨年10月から「ふくしまの復興と原発ゼロをめざす大運動」を開始しました。「とめよう!原発再稼働 かえよう!福島切り捨て政治 国と東京電力が責任を果たすことを求める」新署名を軸に、全国へとりくみをよびかけました。
 10/11に加盟賛同団体によびかけ「ふくしま大運動キックオフ集会」を開催し、運動推進の意思統一をはかり、福島新署名100万目標のうち、全国連絡会として50万筆を目標にとりくむことやふくしま集会や意見広告、3.4集会について確認しました。また毎月11日前後を中心に新宿イレブン行動を開催し、国会議員も参加してとりくみを強めてきました。
 「国と東京電力は責任を果たせ!11・13ふくしま集会」には福島県内外から総勢1500人が参加、前日には福島第一原発事故の被災地の視察を行いました。
 また10〜1月にかけて大運動推進に向けて全国7道県(北海道・福井、島根、愛媛、福岡、佐賀、鹿児島)、首都圏15団体のキャラバン行動を開催、1/20映画「大地を受け継ぐ」上映会には43人が参加しました。
 2/11には朝日新聞全国版と福島民報、福島民友の3紙に意見広告「とめよう原発再稼働 かえようふくしま切り捨て政治」を掲載(予定)しました。

(3)原発ゼロの1点での共同のひろがり
 2013年10月13日の日比谷公会堂集会から始まった3団体(首都圏反原発連合、さようなら原発1000万人アクション、原発をなくす全国連絡会)共催の集会は、昨年3月26日「原発のない未来へ3.26全国大集会」として、6回目の共同開催となりました。
 金曜官邸前行動は232回(2/3)となり、全国連絡会はこの取り組み積極的に参加を呼びかけてきました。また毎週金曜日の国会前行動に呼応し、電力会社前などでの定期行動が全国各地で取り組まれ、継続したとりくみとしてひろがっています。
 原発立地県における広い共同で再稼働反対の署名や運動を前進させるためのとりくみ支援をはじめ、熊本地震後は川内原発停止に向け、機会があるごとに要請行動を粘り強く続けてきました。

(4)連続学習会の開催
 全国連絡会は運動を前進させるために、系統的に学習を強めようと、運営委員会でテーマ設定を行い、これまでに10回、今年は2回の学習会に取り組んできました。

第1回学習会   「チェルノブイリ原発ドイツ環境政策視察ツアー報告」、
第2回学習会   「4つの事故調査報告を検討する」、
第3回学習会   「自然再生エネルギーへの転換は可能か」
第4回学習会   「新規制基準を斬る」
第5回学習会   「国連人権担当官・グローバー勧告の意義と課題」
第6回学習会   「新エネルギー基本計画を斬る」
第7回学習会   「原発再稼働は何をもたらすか〜再生可能エネルギーへの転換に向けて〜」
第8回学習会   「高レベル放射性廃棄物の処分問題と原発再稼働」
第9回学習会   「知られざる原発労働者の深刻な実態と改善の課題」
第10回学習会   「福島はいま〜安倍政権の福島県民切り捨て政策を斬る〜」
第11回学習会   「再生可能エネルギー普及の意義と課題」吉井英勝氏
第12回学習会   「賠償・廃炉費用の負担を国民に転嫁しようとする政府の動きをどうみるか」
大島堅一氏

(5)原発ゼロの運動から様々な要求で一致する「安倍政権NO!」への広がり
 「原発ゼロ」の1点共闘が前進し、市民運動との恒常的な共同の場を作り出してきました。さらに戦争法廃案やTPP反対など、さまざまな要求の運動をとりくんでいる団体との共闘がすすみ、独裁的に立憲主義を反故にする安倍政権の退陣を迫る大きな運動として3回の「安倍政権NO!」の集会デモ・宣伝行動を成功させてきました。

(3)現在の連絡会の構成
 35の中央団体(事務局2・運営委員会11・連絡会22・賛同団体14)で構成。
【事務局】
 全国労働組合総連合
 全日本民主医療機関連合会

【運営委員会】
 新日本婦人の会
 自由法曹団
 全国商工団体連合会
 原水爆禁止日本協議会
 農民運動全国連合会
 全国保険医団体連合会
 日本民主青年同盟
 原発問題住民運動全国連絡センター
 日本科学者会議
 東京地方労働組合評議会
 日本共産党

【連絡会】
 全国借地借家人組合連合会
 日本のうたごえ全国協議会
 安保破棄中央実行委員会
 日本国民救援会
 日本婦人団体連合会
 婦人民主クラブ
 全国農業協同組合労働組合連合会
 映画演劇労働組合連合会
 新日本医師協会
 日本アジア・アフリカ・ラテンアメリカ連帯委員会
 日本宗教者平和協議会
 日本医療労働組合連合会
 日本民主主義文学会
 日本平和委員会
 治安維持法犠牲者国家賠償要求同盟
 全国生活と健康を守る会連合会
 全国生協労働組合連合会
 日本自治体労働組合総連合
 全日本教職員組合
 全日本年金者組合
 全日本金属情報通信機器労働組合
 日本国家公務員労働組合連合会

【賛同】
 憲法改悪阻止各界連絡会議
 国民の食糧と健康を守る運動全国連絡会
 文化団体連絡会議
 全日本視覚障害者協議会
 日本勤労者山岳連盟
 美術家平和会議
 特殊法人等労働組合連絡協議会
 日本美術会
 公害・地球環境問題懇談会
 日本医療福祉生活協同組合連合会
 中央社会保障推進協議会
 新日本スポーツ連盟
 日本の伝統食を考える会
 日本母親大会連絡会

3.原発をめぐる情勢
(1)原発再稼働を推し進める安倍政権
(1)エネルギー構成指針をすすめる安倍政権
 政府は2014年4月に閣議決定した「エネルギー基本計画」で原発を「重要なベースロード電源」と位置づけました。そして経産省は2030年時点の原発の電源構成比を20〜22%とする方針を固め、この前提にはすべての原発の再稼働だけでなく、新設の原発も含まれています。
 また今年度から原発を再稼働した自治体への「電源立地地域対策交付金」増額と、停止中の自治体への配分を減らし、原発再稼働に向け原発立地自治体へ圧力をかけています。安倍首相は「原子力規制委員会が安全を確認した原発は再稼働させる」とのべ、川内原発につづき高浜原発、伊方原発を再稼働させました。さらに玄海原発3・4号機が原子力規制委員会の新規制基準を満たしたとされ、これまでに16原発26基が申請し、 5原発10基が許可となっています。
 しかし田中俊一委員長は、規制基準を満たした原発でも「絶対に安全であることを意味しない」と述べ、安全の確認ではないことを認めています。国も規制委員会も安全に責任を持たないなかで、原発再稼働を押しすすめることは、とうてい許すことはできません。 
(2)原発輸出を推進する安倍政権
 安倍首相はUAE、トルコに続き、インドと原発輸出の前提となる原子力協定に原則合意するなど、日本の原発輸出に道を開く姿勢を露骨に示しています。とりわけインドはNPT非加盟国であり、今回の合意がインドの核開発に手を貸すことになり、「唯一の被爆国」としての道義的立場をなげすてることになります。
 さらに日立製作所などの日本企業が英国で受注した原発建設に対し、政府系金融機関を通じた資金支援の姿勢を示し、日英の大手金融機関に参加を促して1兆円規模の資金供給の枠組みを構築するとしています。
 福島原発事故で大きな被害を与え、いまだに事故収束のめどもたたない日本の政府が率先して原発輸出を推進するなど、許されることではありません。

(3)廃炉費用の新たな国民負担
 経産省は昨年、東京電力福島第一原発事故の賠償や除染、廃炉などの費用について、国の支援を拡大するとともに、消費者の電気料金や原発を持ったことのない「新電力」にも負担を求める方針を打ち出しました。事故対策の費用はこれまでの11兆円が21・5兆円に引き上げられていますが、それだけで済まない可能性もあり、安易な国民への負担転嫁ではなく、東電の責任を明確にして、国と東電で必要な資金を確保する原則を確立すべきです。

(2)福島の切り捨て政治の実態
 福島第一原発事故による避難者は81130人、うち県外46都道府県に40,059人が故郷に戻れず避難生活を送っています。原発事故により長期化している苛酷な避難生活の中で原発事故関連死は2,109人(1/12現在)となり、地震と津波による直接死1,604人の1.3倍のいのちが奪われています。2016年2月発表の国勢調査では原発立地の双葉・大熊・富岡、隣接の浪江の4町の人口は0人、国勢調査97年の歴史で初めての事態であり、「原発事故関連死」も含め、ここに原発がもつ異質な危険性があります。無理な廃炉の工程よるトラブルや労災死亡事故も増加、第1、第2原発で4人が死亡し、8月には2例目の被ばくによる白血病が労災認定され、12月には甲状腺がんが労災認定されました。
 放射線量が高い、除染が不十分、商店街・医療機関・学校が復旧していないなどこうした現実の中で、故郷に帰りたくても帰れないのが実態です。安倍政権は帰還困難区域を除く、居住制限区域、避難指示解除準備区域の避難指示を2017年3月までに解除するという一方的な指示を強引に進め、精神的賠償、営業損失賠償、自主避難者の住宅無料提供など、避難者に対する支援を打ち切ろうとしています。
 福島第一原発事故による営業損害の賠償をめぐって「一昨年7月分までの合意金額の2倍相当を一括で支払う」ことを確認していましたが、実際には、「原発事故との相当因果関係」を証明するよう迫られ、昨年7月分までの合意がつくれない、また合意しても2倍相当が支払われず、一方的な値切りや打ち切りが横行しています。賠償の打ち切りは地域経済に深刻な打撃を与えるものとなっています。
 また原発事故の避難先で子どもたちに対するいじめが起こっています。これは子どものいじめの問題でなく、国と東電が加害の責任を曖昧にし、「原発事故は終わった」と福島の切り捨てを進めるもとで、故郷を奪われ避難生活を余儀なくされている深刻な被害の実相が社会に隠されているからではないでしょうか。
 福島原発事故被害者のおかれている状況や福島の現状こそ「原発ゼロの必要性を事実として物語っていること」そのものであり、事故はなかったかのような国と東電の姿勢を、断じて許すことはできません。

(3)原発ゼロに向けたせめぎ合いの情勢
 この間の情勢の特徴は、1つは原発をめぐる問題が地方政治はもちろん、国政の大きな焦点となってきていること、2つには安倍政権の暴走政治に対抗し、市民と野党の共闘が大きな流れとなっており、「政治は変えられる」という希望を国民に示したことです。
 「原発再稼働反対・原発ゼロ」が市民と野党の共通の課題として位置づけられるなかで、原発ゼロ、福島切り捨て政治を変えていく展望が広がっています。
 そして様々な分野で安倍政権の原発再稼働・推進政策を認めない声がひろがっています。
(1)大津地裁 高浜原発停止の仮処分決定
 昨年3月、大津地裁は関西電力高浜原発3・4号機の運転差し止めを命じる仮処分を決定しました。福島第一原発事故の原因究明が進んでいないなか、関西電力と規制委員会の安全対策に対する姿勢は不十分と指摘し、住民らの人格権が侵害される恐れが高いとして、運転中の原発では初めての運転停止を命じる仮処分の決定を出しました。
 その後、関西電力は2度にわたり仮処分の取り消しを求める異議申し立てを行いましたが、いずれも退けられています。

(2)核のゴミ問題〜日本学術会議の提言
 昨年11月「原発問題住民運動全国連絡センター全国交流集会」が高レベル放射性廃棄物最終処理場の候補地となっている岩手県で開催され、講演した日本学術会議の今田高俊東京工業大学名誉教授は、高レベル放射性廃棄物の最終処分をめぐる日本学術会議の原子力委員会への2012年の「回答」と15年の「提言」について解説し、最終処分に関する政策の抜本的見直し、暫定保管と総量管理などを提言したことを述べ、合意形成を後回しにしたまま、処分場を決めようとしている政府のやり方を「拙速」と批判しました。
 核のゴミの処分は「トイレなきマンション」に例えられるように、原発を再稼働すれば、核のゴミはますます増えいっそう困難さが増します。問題を先送りしたまま何の説明もなく再稼働をすすめる政府の対応は、決して容認できるものではありません。

(3)鹿児島・新潟の県知事選挙結果
 柏崎刈羽原発の再稼働を大争点にたたかわれた昨年10月の新潟県知事選では、再稼働反対を訴えた米山隆一氏が当選しました。安倍政権と電力業界が再稼働への動きを加速する中で、市民と野党の統一候補が自民・公明推薦候補に大差で勝利したことは、柏崎刈羽原発の危険な再稼働は認められないとする県民の意志を鮮明に示したものであり、再稼働すすめる安倍政権と電力業界に、あらためて「ノー」の意思を突き付けた結果となりました。
 7月の鹿児島県知事選で、九州電力川内原発の一時停止を掲げた三反園訓知事が当選したのに続く新潟県知事選の勝利は、原発再稼働に突き進む安倍政権と電力業界に対して、原発を抱える地方自治体の住民の厳しい批判と不信の現れであるといえます。

(4)もんじゅの廃炉
 昨年12月、高速増殖炉「もんじゅ」の廃炉が正式に決定されました。もんじゅは1994年に運転されてからナトリウム漏れ事故を起こすなどトラブルが相次ぎ、これまで1兆円が投じられ、国民の大きな批判を受けての決定です。
 一方で「もんじゅ」に代わる高速炉の開発を続けることが原子力関係閣僚会議で決定されており、引き続きたたかいを強める必要があります。

(5)台湾・ベトナムなどからみる世界のうごき
 台湾の国会にあたる立法院が1月11日、国内にある3つの原発(原子炉は計6基)を2025年までにすべて廃炉にすることを盛り込んだ電気事業法改正案を可決しました。アジアでは昨年11月、ロシアと日本へ2つの原発(計4基)の発注を決めていたベトナムも国会で計画を撤回したほか、欧州ではリトアニアで反原発を掲げる政権が誕生し、日立製作所が受注を内定していた原発建設が絶望的となりました。こうしたなかで、再生可能エネルギーによる発電コストが急速に低下。「『1kWh=1セント』時代が10年足らずでやってくる」との観測が世界のエネルギー事業者の間で広がり、多くの国・地域が太陽光や風力などに主力電源をシフトする姿勢を一段と鮮明にしています。

(6)東芝の原発依存による巨額損失〜財界と一体となった安倍政権の原発推進政策の破綻〜
 東芝の7000億円に上る原発事業の巨額損失は、福島第一原発事故以降も政府と二人三脚で原発を推進してきた果てに起きたものです。
 東芝は2006年に米原子炉メーカー・ウェスチングハウス(WH)を5000億円で買収。これによって15年までに世界で39基の新規プラントを受注し、原発事業の売上高を4000億円から1兆円に伸ばすとしました。しかし福島第一原発事故でもくろみは完全に崩壊。15年に発覚した1500億円を超える粉飾決算の根底にもWHの買収費用の焦げ付きがあると指摘され、2016年3月期決算で東芝は原発事業で2500億円の減損を実施しました。
 にもかかわらず、東芝は2015年、今回の巨損の原因となる企業買収をWHを通じて実施。原発事業の巨額損失に苦しみながら、ますます原発の深みにはまっていきました。
 財界と一体となった安倍政権の原発推進政策が、巨大企業のかじ取りを誤らせ、ひいては日本経済の基盤を掘り崩す結果を招くものとなりました。経営陣の責任とともに、原発を重要電源と位置付け原発輸出を成長戦略としてきた安倍政権の責任は重大です。

4.今後のたたかいのすすめ方
(1)たたかいのかまえ
 安倍政権は、福島原発事故がまるでなかったかのように、原発再稼働と輸出を進めています。また、「もんじゅ」の廃炉で明らかなように、破たんした核燃料サイクルをあきらめるのではなく、高速炉開発会議を設置し、延命をはかろうとしています。そして、原発再稼働と一体のものとして、福島切り捨て政策を福島の民意を無視して、強権的にすすめています。そのような情勢のもとで、原発再稼働と輸出を許さず、福島なかまと連帯して「福島切り捨て政治」を変える「原発ゼロとふくしまの復興をめざす大運動」を、さらに前進させていきます。そして、原発再稼働をはじめ民意を無視した強権政治をすすめる安倍暴走政治をストップさせるために、今年度中に予想される総選挙にむけて、「止めよう原発再稼働」「変えよう福島切り捨て政治」を最大の争点におしあげていくために、全国のなかまと連帯してとりくみをすすめます。

(2)具体的なたたかいについて
(1)ふくしまの復興と原発ゼロをめざす大運動を引き続き強める
 1)原発再稼働を許さず、原発ゼロの日本をめざす取り組み
・福島原発事故から6年となる3月11日前後を「NO NUKES ACTION」として「東日本大震災からの早期復興、福島切り捨てを許すな、原発再稼働反対」の要求を掲げた集会、デモ、宣伝行動、講演会、学習会など多様な取り組みを全国各地取り組むことを呼びかけます。これらの成功に、原発をなくす全国連絡会に参加する各組織が、積極的な役割を果たしましょう。
・3月4日(土)に日比谷野外音楽堂で行う「原発ゼロの未来へ福島とともに3.4全国大集会」を5千人の参加を目標に取り組みます。
・毎週金曜日や毎月11日の行動の継続的な実施への協力を強めます。
 2)福島切り捨てを許さないとりくみ
・ふくしま復興共同センターから提起された「とめよう!原発再稼働 かえよう!福島切り捨て政治 国と東京電力が責任を果たすことをもとめる」署名を、ふくしま大運動の柱に据え、目標の半分にあたる50万筆達成をめざします。期限は当面通常国会会期中の提出をめざし5月末までとし、最終的には秋の臨時国会で提出します。
各地の行動でも位置付け、福島の声を全国にひろげ、「オール福島」の運動を後押しします。
・「福島原発事故はなかった」かのように新たな安全神話をふりまき、経済優先の姿勢を強める政府、電力会社の「ウソ」を明らかにするためにも、汚染水問題をはじめ、福島原発事故のいま、そして前進している「オール福島」のたたかいを全国に伝えるため、福島の現地視察など創意ある取り組みを強めることを呼びかけます。
・国、東京電力の事故責任を問う裁判が様々提起されており、その勝利に向けた支援の取り組みを強めます。
・政府が提起している福島の「避難解除の強行と賠償の打ち切り」や、福島県が県単独で行っていた「自主避難者に対する住宅補助の打ち切り」を許さないたたかいを、国と東京電力の責任をしっかりと告発し、原発事故被害者を守る運動と連帯してとりくみます。
・上記を推進するためにふくしま復興共同センターと連携しながら、ミニ集会や国会行動、福島の現実を伝える学習会などのとりくみを強めます。

(2)原発立地県・地域を中心に取り組まれている「再稼働反対」の取り組みとの連携強化
 1)安倍政権は川内原発、伊方原発に続き、次々と原発再稼働を決断しようとしています。全国の取り組みを強め、新規制基準への適合審査が行われている原発立地地域との連携、福島との連帯をさらに強めて、政府の一方的な決定を許さない世論をさらに高めましょう。避難計画など自治体とも連携し、原発企業への働きかけ、行動を強めていきます。
 再稼働を決定する動きを強めた場合、当該地域の運動とも連携し、緊急の国会行動などの実施を準備します。
 2)原子力規制委員会の新規制基準を満たしたとされる5原発10基については、現地の原発再稼働に反対する人たちと連携して、再稼働させないとりくみを強めます。
 また高速増殖炉「もんじゅ」の廃炉は決定されたものの、使用済み核燃料の再利用を目指す核燃料サイクル政策を維持し高速炉の開発を続けるとされており、これに対しても、運動とたたかいを強めます。
 3)電力システム改革がすすむなか、原発関連費用など経産省がウソを言って国民負担させる動きが出てきている中で、東電の責任を果たさせること、原発ゼロの運動とつなげて学習し、声を上げていく活動を強めます。

(3)広範な人びとと結びついた運動へのさらなる発展とともに、政治の争点に「原発ゼロの選択」を押し上げる
 1)国民世論を軽視し、独裁的暴走の政治を行う安倍政権に対する批判は、内外に広がっており、原発政策をめぐっても、原発ゼロを求める国民の声は減っておらず、その声を無視して進められる原発推進政策の転換を求める政治的な動きが広がっています。
 これまで広範な人びとと結びついた「原発再稼働反対」の共同を粘り強く成功させながら、「原発ゼロの選択」を政治の争点に押し上げます。
 2)原発立地県や自治体の選挙をはじめ、今年解散が予想される衆議院選挙で原発再稼働反対の世論を高め、さまざまなとりくみを通じて一大争点化にします。より大きな共同をつくり総選挙の野党共通政策に原発再稼働ノー、原発ゼロを位置付けるとりくみを強めます。

(4)継続的な運動、学習の重要性(風化、忘却を許さないために)
 1)原発をなくす全国連絡会作成のDVDや、連続学習会の講演をまとめた「ブックレット」、「大飯原発差し止め判決の意義」パンフレットなどの活用、各地での講演会の開催などを呼びかけます。
 2)引き続き、四半期に1回程度の学習会を開催します。

以 上