講師の紹介

原発をなくす全国連絡会第6回総会決定

2018年 1月25日
原発をなくす全国連絡会運営委員会

1.はじめに
 東京電力福島第一原発事故から7年が経とうとしています。事故の原因も究明されず、福島第一原発の廃炉行程も明確にできず、事故はいまだ収束していません。にもかかわらず、安倍政権は原発事故被害者の賠償打ち切りや、避難者の強制帰還政策、自主避難者の住宅保障打ち切りなど福島切り捨て政治を行い、原発事故などなかったかのように原発再稼働、原発輸出をすすめています。
 いっぽうで原発ゼロ・再稼働反対は依然多くの国民の声として、いずれの世論調査でも6割以上となっています。その声は新潟県知事選で原発再稼働反対の知事を誕生させ、静岡では当選した県知事が任期中は浜岡原発を再稼働させないことを約束したことなどにつながり、原発ゼロ・自然エネルギー推進連盟が、原発即時停止と再稼働・新増設の禁止などを柱として提案した、「原発ゼロ・自然エネルギー基本法案」などに結実しています。
 さらに司法においても、東京電力と国の責任を認めた群馬地裁と福島地裁での原発事故被害者訴訟判決をはじめ、広島高裁での伊方原発3号機運転差し止め仮処分決定などに繋がる力となりました。
 私たち「原発をなくす全国連絡会」はこうした状況のもと、全国に原発ゼロの運動を広げ、国民世論を確固たるものとし、政治の争点に押し上げる役割を果たしてきました。
 とりわけ、ふくしま復興共同センターとともに、福島切り捨て政治とのたたかいを全国的な課題に位置づけ、「ふくしまの復興と原発ゼロをめざす大運動」を展開してきました。
 また原発再稼働の根拠とされているエネルギー基本計画の見直しを求め、公害・環境団体と協力した運動をはじめ、原発事故被害者の裁判闘争支援、原発と人権ネットワークのあらたな原発政策の提言づくりなどへの協力をすすめてきました。 
 本総会は、この一年の原発をなくす全国連絡会のとりくみとその到達点をふりかえるとともに、「原発ゼロ」を求める国民運動との共同を大きく前進させ、原発依存のエネルギー政策の転換、福島の切り捨て政治を許さず、原発再稼働と原発輸出に向けて暴走する安倍政権とのたたかいを意思統一することを目的に開催します。
  「原発ゼロ」に大きく動きだした今だからこそ、原発ゼロを明確に掲げる全国組織の運動体としての役割を発揮し、原発再稼働を許さず、原発ゼロの日本の実現をめざしましょう。

2.経過報告
(1)この1年の経過報告

2017年
2/9   原発をなくす全国連絡会第5回総会
2/10   第5回新宿イレブン行動(新宿西口)21人・75筆
2/11   意見広告「とめよう原発再稼働!かえよう福島切り捨て政治!」掲載
(朝日・東京・福島民報・福島民友)
2/22   「福島の切り捨て政治を許さず、原発再稼働をストップさせる多彩なとりくみを3/11前後に全国各地で展開する『NO NUKES ACTION』を呼びかけます」アピールを発信
3/3   経産省交渉(災対連合同)※汚染水対策、福島第一原発廃炉作業・第二原発廃炉問題
3/4   原発のない未来へ 福島とともに3.4全国大集会&パレード(日比谷野音)3500人
3/10   第6回新宿イレブン行動ロングバージョン(新宿西口)26人・103筆
3/22   ふくしま大運動院内決起集会(参院議員会館)20人
4/7   衆院原賠法審議傍聴行動2人
4/11   衆院復興特措法審議傍聴・国会要請行動7人
4/11   原発をなくす山梨の会総会(学習会講師:蜥ャ)
4/12   衆院原賠法審議傍聴行動3人
4/26   農民連官邸前抗議行動(連帯挨拶:岸本)
5/10   被災者切り捨て許すな国の責任で復興を5.10国会行動(災対連主催)9人
5/11   第7回新宿イレブン行動(新宿西口)17人・47筆
5/18   安倍政権NO!国会前抗議行動(共謀罪・森友問題)1000人
6/7   ふくしま新署名提出院内集会・議員要請行動(参議院会館)30人・187,481筆
6/12   第8回新宿イレブン行動(新宿西口)20人・52筆
7/9   安倍政権に退陣を求める緊急デモ(新宿)8000人
7/12   第9回新宿イレブン行動(新宿西口)19人・45筆
7/20   ふくしま復興共同センター総会(連帯挨拶:盛本)
7/31   第13弾連続学習会「福島原発事故からの真の復興と再生に向けて」
 講師 寺西俊一氏(一橋大学大学院特任教授)・参加者32人
8/22   原発問題住民運動福井県連絡会との懇談(福井民医連)5人
9/8   第10回新宿イレブン行動(新宿西口)14人・36筆
9/22   原発訴訟千葉判決日・東電本社前抗議行動(連帯挨拶:盛本)
9/28   千葉訴訟判決院内報告集会(連帯挨拶:小田川)
10/5   安倍政権NO!1005銀座大行進(日比谷野音)2000人
10/8   なくそテ原発・新潟集会(連帯挨拶:小田川)
10/10   生業裁判判決日・東電本社前抗議行動(連帯挨拶:盛本)
11/11   第11回王子イレブン行動(王子駅前・災対連共催)14人・38筆
12/11   第12回新宿イレブン行動(新宿駅西口)エネルギー基本計画見直し署名 18人・66筆
12/13   伊方原発3号機運転差し止め仮処分決定(広島高裁)
2018年
1/11   第13回新宿イレブン行動(新宿西口)12人・38筆

(2)おもな取り組みの到達点
@結成から6年、「原発ゼロ」をめざす国民的な運動と共同の発展における役割
 毎月のイレブン行動をはじめ、全国いっせい行動を呼びかけ、全国的な運動の広がりと定着に寄与しました。東京電力福島第一原発事故から6年を迎えるにあたって、福島の切り捨て政治を許さず、原発再稼働をストップさせる多彩なとりくみを、3/11 前後に全国各地で展開することをよびかけた「NO NUKES ACTION」を全国に発信しました。また原発再稼働が狙われている全国各地の集会に当会として全国に参加を呼びかけ、運営委員会団体からも代表を派遣し、連帯の挨拶を行いました。(新潟集会)

A「ふくしまの復興と原発ゼロをめざす大運動」のとりくみ
 前期よりはじめた「ふくしまの復興と原発ゼロをめざす大運動」を今期も継続し、ふくしま復興共同センターと共同した様々なとりくみを行いました。
 とりわけ「原発ゼロと福島の切り捨て政治を許さない」意見広告のとりくみには、1374団体からの賛同(2017.2.4時点)が寄せられ、1200万円を超える賛同金が集まり、朝日新聞・東京新聞・福島民報・福島民友の4つの新聞に掲載することができました。この意見広告に対する反響は大きく、100通を超える手紙やメール、電話が寄せられ、そのほとんどが「意見広告をみて元気づけられた」「原発を早くなくしてほしい」「原発事故が収束していないのに原発再稼働はあり得ない」などの声でした。
 3月にはふくしま大運動国会院内決起集会を開催し、6月には寄せられたふくしま新署名18万7千筆の提出集会・国会議員要請を行い、野党共闘で当選させた参議院の増子輝彦議員をはじめ、幅広い議員が紹介議員となって提出しました。

BNO NUKES ACTION「原発ゼロの未来へ 福島とともに3.4全国大集会」のとりくみ
 今期はNO NUKES ACTIONのとりくみとして、3/4(土)に「原発ゼロの未来へ 福島とともに3.4全国大集会」を日比谷野外音楽堂で開催し3500人が参加しました。メインスピーチとして元宇宙飛行士の秋山豊寛さんを迎え、さようなら原発1000万人アクション実行委員会や首都圏反原発連合からの連帯挨拶、米山隆一新潟県知事や湖西市・三上元前市長、城南信用金庫・吉原毅元理事長、野党各党からも挨拶とメッセージが寄せられました。
 とりわけ福島の実情を訴えた早川千枝子さんの発言は大きな反響をよび、原発事故から6年たってもなお復興にはほど遠い被災地の人びとの暮らしや、福島切り捨て政治と原発事故などなかったかのように、原発再稼働をすすめる安倍政権への怒りを共有する集会となりました。

C原賠法改定・原発事故賠償打ち切り問題の経産委員、復興特委員へのはたらきかけ
 東京電力福島第一原発事故の賠償や除染、廃炉などの事故対策の費用の規模が、11 兆円から21.5兆円に拡大する中、電気料金や原発を使わない新電力にも負担を求める法案が国会で可決されました。私たちは安易な国民への負担転嫁ではなく、東電の責任を明確にして、国と東電で必要な資金を確保する原則を確立すべきとして、衆参の経済産業委員への要請行動を行いました。
 また原発事故被害者への賠償打ち切りを許さないたたかいを強め、「農民連官邸前抗議行動」(4/26)への参加や、被災者切り捨て許すな国の責任で復興を5.10国会行動(災対連主催)に参加し、政府交渉を行いました。

Dエネルギー基本計画の見直しを求める運動
 政府は2017年、「エネルギー基本計画」の見直し議論を始めました。しかし、2014年の現行計画を概ね踏襲し、2030年度に必要な電力の20〜22%を原発で賄う目標を維持する方針を示しており、原発ゼロを要求する国民全体の思いと逆行しています。
 2014年に現計画をまとめた際は、意見公募(パブリックコメント)で寄せられた約2万件の大半は「脱原発」を求める意見でしたが、計画には全く反映されませんでした。しかも、ベースロード電源構成比の20〜22%を原子力発電に依存することは、現在の原発を全て稼働させることが前提とされるものであり、到底認められるものではありません。
 私たちは昨年11月より、このエネルギー基本計画の見直しにあたって、再生可能エネルギーの比率を大幅に増加させること、原発再稼働をやめ、原発ゼロをめざすことを求める運動を広げてきました。環境団体や公害運動団体との協力も広がってきています。請願署名と団体要請にとりくみ、エネルギー基本計画の見直しを求めていきます。

E連続学習会の開催
 全国連絡会は運動を前進させるために、系統的に学習を強めようと、運営委員会でテーマ設定を行い、これまでに13回、今年は1回の学習会に取り組んできました。

第1回学習会   「チェルノブイリ原発ドイツ環境政策視察ツアー報告」
第2回学習会   「4つの事故調査報告を検討する」
第3回学習会   「自然再生エネルギーへの転換は可能か」
第4回学習会   「新規制基準を斬る」
第5回学習会   「国連人権担当官・グローバー勧告の意義と課題」
第6回学習会   「新エネルギー基本計画を斬る」大島堅一氏
第7回学習会   「原発再稼働は何をもたらすか〜再生可能エネルギーへの転換に向けて〜」吉原毅氏
第8回学習会   「高レベル放射性廃棄物の処分問題と原発再稼働」今田高俊氏
第9回学習会   「知られざる原発労働者の深刻な実態と改善の課題」渡辺博之氏
第10回学習会   「福島はいま〜安倍政権の福島県民切り捨て政策を斬る〜」伊東達也氏
第11回学習会   「再生可能エネルギー普及の意義と課題」吉井英勝氏
第12回学習会   「賠償・廃炉費用の負担を国民に転嫁しようとする政府の動きをどうみるか」
大島堅一氏
第13回学習会   「福島原発事故からの真の復興と再生に向けて」寺西俊一氏

F原発ゼロの運動から様々な要求で一致する運動への広がり
 「原発ゼロ」の1点共闘が前進し、市民運動との恒常的な共同の場を作り出してきました。とりわけ原発事故被害者賠償裁判支援をはじめエネルギー政策転換を求める運動、さらに立憲主義を反故にする安倍政権の退陣を迫る運動などとの協力・共同がすすみ、各種集会への参加や、毎月のイレブン行動でもゲストとして発言いただきました。
 今期、共闘・連携したおもな団体・とりくみは以下のとおりです。
 原発と人権ネットワーク、原発訴訟全国連絡会、公害地球懇、全国災対連、安倍政権NO実行委員会、安倍政権に退陣を求める緊急デモ(7/9)

G全国各地で広がるたたかい
 原発立地県および周辺自治体をはじめ全国各地で原発ゼロ、再稼働反対の運動が広がっています。
 北海道では「泊原発再稼働させない道連絡会」を反原発団体や環境団体、経済団体など52団体で結成し、道民統一署名にとりくむことを確認。函館市では9月に181の町会で構成する函館市町会連合会が、浪江町の商工会会長を招いて大間原発建設凍結函館市民集会を開催し、函館市の大間原発建設凍結裁判支援を呼びかけました。
 東海第二原発をかかえる茨城では、7月に「東海第二原発の20年延長を許さず廃炉を求める」新聞意見広告と集会にとりくみ、新潟では原発再稼働反対の米山隆一知事を誕生させた運動を力に、なくそテ原発集会を成功させ、さきの総選挙では5選挙区中4選挙区で野党共闘候補を当選させる原動力となりました。
 福井では原発に反対する県内5団体で構成する「オール福井反原発連絡会議」のとりくみが前進し、県に対し高浜原発再稼働を容認しないことを求める要請行動やシンポジウムを開催、共闘が広がっています。
 静岡では22万を集めたひまわり署名が、3選を果たした県知事に「任期中は浜岡原発の再稼働に同意しない」と明言させる力になったこと、愛媛ではえひめ県民署名の会が発足し、著名人が呼びかけ「原発のない暮らしを求めるえひめ県民署名」(30万目標)がとりくまれています。
 また九州では、九州電力川内原発の稼働をやめさせ、玄海原発の再稼働を許さないとりくみがオール九州のたたかいとして広がっています。

(3)現在の連絡会の構成
 35の中央団体(事務局2・運営委員会11・連絡会22)と14の賛同団体で構成。
【事務局】
 全国労働組合総連合
 全日本民主医療機関連合会
【運営委員会】
 新日本婦人の会
 自由法曹団
 全国商工団体連合会
 原水爆禁止日本協議会
 農民運動全国連合会
 全国保険医団体連合会
 日本民主青年同盟
 原発問題住民運動全国連絡センター
 日本科学者会議
 東京地方労働組合評議会
 日本共産党
【連絡会】
 全国借地借家人組合連合会
 日本のうたごえ全国協議会
 安保破棄中央実行委員会
 日本国民救援会
 日本婦人団体連合会
 婦人民主クラブ
 全国農業協同組合労働組合連合会
 映画演劇労働組合連合会
 新日本医師協会
 日本アジア・アフリカ・ラテンアメリカ連帯委員会
 日本宗教者平和協議会
 日本医療労働組合連合会
 日本民主主義文学会
 日本平和委員会
 治安維持法犠牲者国家賠償要求同盟
 全国生活と健康を守る会連合会
 全国生協労働組合連合会
 日本自治体労働組合総連合
 全日本教職員組合
 全日本年金者組合
 全日本金属情報通信機器労働組合
 日本国家公務員労働組合連合会
【賛同】
 憲法改悪阻止各界連絡会議
 国民の食糧と健康を守る運動全国連絡会
 文化団体連絡会議
 全日本視覚障害者協議会
 日本勤労者山岳連盟
 美術家平和会議
 特殊法人等労働組合連絡協議会
 日本美術会
 公害・地球環境問題懇談会
 日本医療福祉生活協同組合連合会
 中央社会保障推進協議会
 新日本スポーツ連盟
 日本の伝統食を考える会
 日本母親大会連絡会

3.原発をめぐる情勢
(1)原発再稼働を推し進める安倍政権
@原発を重要なベースロード電源に位置づける安倍政権
 安倍政権は2014 年4月に閣議決定した「エネルギー基本計画」で、原発を「重要なベースロード電源」と位置づけ2030 年時点の原発の電源構成比を20〜22%としています。 また今年度から原発周辺自治体への交付金をふやすなど、原発再稼働に向けたシフトを強化しています。安倍首相は「原子力規制委員会が安全を確認した原発は再稼働させる」とのべ、川内原発1・2号機、高浜原発3・4号機、伊方原発3号機を再稼働させました。現在、大飯原発3・4号機、玄海原発3・4号機が再稼働の準備に入っていますが、16原発26基が申請し、7原発14基が許可となっています。
 申請されたなかには、半径30q以内に96万人もの市民が住む東海第二原発が含まれており、稼働40年を迎えるにもかかわらず、運転期間20年延長の申請をしました。原発事故をおこした福島第一原発と同じ構造であり、ただちに廃炉すべきです。
 また東京電力柏崎刈羽原発6・7号機が新規制基準を満たしたとされていますが、原発事故を引きおこした企業が、その責任も認めず、事故の究明もされないまま、原発再稼働に突き進むことは、とうてい許さるものではありません。

A廃炉費用の新たな国民負担
 経産省は東京電力福島第一原発事故の賠償や除染、廃炉などの費用について、国の支援を拡大するとともに、消費者の電気料金や原発を持ったことのない「新電力」にも負担を求めることを決定しました。事故対策の費用はこれまでの11兆円が21・5兆円に引き上げられていますが、それだけで済まない可能性もあり、安易な国民への負担転嫁は許されません。東電の責任を明確にして、国と東電で必要な資金を確保する原則を確立すべきです。

(2)福島の切り捨て政治の実態
 東京電力福島第一原発事故から7年が経とうとしていますが、今なお福島第一原発は廃炉行程を明確にできず、事故はいまだ収束していません。2017 年春に、「居住制限区域」、「避難指示解除準備区域」の一部で避難指示解除が行われ、徐々に帰還がはじまっていますが、元々の住民のうちで帰還したのはわずか数パーセントです。避難者数も県の統計では県外34,870 人(10 月2 日現在)、県内19,696 人(9 月26 日現在)となっていますが、復興公営住宅入居者や避難先で自宅を建てた人、避難指示区域以外からの自主避難者は避難住民の集計から除かれ、実際にはいまだ10 万人近くの人たちが避難前の元の土地で生活することができていないと言われています。
 また、避難指示解除とともに仮設住宅が閉鎖され、仮設に残らざるをえない人々は、避難先で医療・介護サービスを受けていることから、移転に不安を感じ、長期にわたる避難生活の影響が出ています。復興公営住宅に移り住んだ人々も、公営住宅の家賃補助が縮小されることへの不安、公営住宅での自治会やコミュニティづくりの苦労も話されています。国と東電は、避難住民の居住権をきちんと保証する責任があります。
 原発事故の補償・賠償の裁判の判決が、群馬、千葉、福島で連続して出され、群馬、福島では、国と東電の責任を認める判決となりました。今後いわき避難者訴訟をはじめ全国各地で判決が控えていますが、これまで安倍内閣のもとですすめられてきた「賠償打ち切り」「原発再稼働」政治、国も東電も事故の責任をとらず、事故の全容解明にも背をむけてきた「ふくしま切り捨て」政治への批判が、司法の場でも明確となっています。

(3)国政・地方政治、司法などさまざまな分野で広がる原発ゼロ・再稼働反対のうごき
 この間の原発をめぐる情勢の特徴は、地方政治はもちろん、国政の大きな焦点となってきていることです。東京電力・柏崎刈羽原発の再稼働が大争点となった2016年10月の新潟県知事選で、再稼働反対を訴えた米山隆一候補が当選し、総選挙でも小選挙区で再稼働反対を公約した市民と野党の共闘候補が多数、当選しました。総選挙では、立憲民主党、共産党、社民党、無所属の野党共闘候補と市民連合が「福島第一原発事故の検証のないままの原発再稼働を認めず、新しい日本のエネルギー政策の確立と地域社会再生により、原発ゼロ実現を目指すこと」で合意し、野党共闘の共通の政策となりました。
 今年1月、小泉純一郎、細川護煕の元首相らが顧問を務める「原発ゼロ・自然エネルギー推進連盟」が、原発の即時停止と再稼働・新増設の禁止、核燃料サイクル事業からの撤退と原発輸出の中止、さらに2050年までに電力を再生可能エネルギーで賄うことを柱とした「原発ゼロ・自然エネルギー基本法案」を発表し、この提案に対して、野党各党が協議を開始しています。
 東海第二原発を抱える東海村と周辺5市が、稼働をめぐる事前協議について立地自治体と同等の権限を有する協定を求め、運営する日本原電は半径30q圏内の自治体の同意を前提とする新協定書を提示しました。文面に曖昧な表現があることから修正が必要となっているものの、今後、全国の原発の稼働の是非についても周辺自治体の同意を必要とする運動に発展させることが重要です。
 また、司法でのたたかいでは昨年12月、伊方原発3号機の運転差し止めを求めた仮処分の即時抗告審で、広島高裁が運転の差し止め決定をしました。高等裁判所として初の差し止め判断です。火山(阿蘇山)の噴火に対して全面的に伊方原発が安全性を有していないとの判断は画期的で、全国の原発にも当てはまる問題です。

(4)核のゴミ・もんじゅの廃炉問題
 昨年12月、日本原子力研究開発機構はようやく「もんじゅ」の廃炉計画を原子力規制委員会に申請しました。廃炉完了は30年後の2047年で、解体などに約1500億円、人件費など維持管理に約2250億円かかると言われていますが、使用済み燃料やナトリウムの搬出先は未定であり、順調に進行するかどうかはまったく不明です。
 「もんじゅ」は22年間で稼働日数はわずか250日だったにもかかわらず、17年度までの経費総額は1兆1531億円にのぼり、1兆円余りが税金から拠出されています。これだけの大失態にもかかわらず、総括もされず、責任も問われず、無に等しい「実績」をもとに実証炉建設をめざすことは、決して容認できるものではありません。
 しかし政府は高速「増殖炉」の実用化は諦めたものの、再処理やプルサーマル等の推進をうたっています。プルサーマル発電を行っている原発は現在3基のみであり、再処理工場に至っては完成が24回も先送りにされ、2021年度上半期までずれ込むなど計画は完全に破綻しています。
 核のゴミ問題では、日本学術会議が高レベル放射性廃棄物処理の方針が決定されるまで、原発再稼働はすべきではないとの見解を出しており、政府はこれを真摯に受け止めるべきです。

4.たたかいの課題
(1)原発再稼働を許さず、原発ゼロの日本をめざす取り組み
 @3.11前後を「原発ゼロ週間」(3/3〜3/11)として全国各地で多彩な行動を呼びかける。
 A3月4日に日比谷野外音楽堂で開催する「原発ゼロの未来へ 福島とともに3.4全国大集会」を5000人以上の参加で成功させる。
 B再稼働の動きに機敏に対応した行動・集会・政府交渉を行う。
 ・大飯原発3・4号機と玄海原発3・4号機の再稼働が準備されており、現地と連携したたたかいをすすめる。
 ・とりわけ原発事故を引き起こした東京電力の柏崎刈羽原発6・7号機の再稼働を許さないたたかいを強める

(2) 広範な人びとと結びついた運動へのさらなる発展とともに、政治の争点に「原発ゼロの選択」を押し上げ、エネルギー基本計画の見直しを迫るとりくみ
 @原発ゼロ・自然エネルギー推進連盟が提案した「原発ゼロ・自然エネルギー基本法案」を、野党共闘の共通政策につなげる国民的大運動として広げる。
 Aとりわけ、きたるいっせい地方選挙や、国政選挙(参議院選)の争点に押し上げる。
 Bエネルギー基本計画の見直しを求める署名10万、団体要請1000を集め、3月に署名提出集会を開催する。

(3)原発事故被害者賠償と避難者の住宅保障の打ち切りを許さないたたかい
 @原発事故被害者賠償打ち切りを許さないたたかいを福島とともにすすめる
 A避難者の住宅保障の打ち切り問題を、避難者の会などと協力しすすめる。
 B原発被害者訴訟の支援を、原発被害者訴訟全国連絡会と連携しすすめる。

(4)原発立地県の再稼働反対の運動や、全国の原発ゼロの運動を押し上げる。
各地で多彩に広がりとりくんでいる運動や教訓を学び合う場として、全国の原発ゼロの運動の交流の場を設ける。

(5)継続的な運動、学習のとりくみ(風化、忘却を許さないために)
 原発をなくす全国連絡会作成のDVDや、連続学習会の講演をまとめた「ブックレット」、「大飯原発差し止め判決の意義」パンフレットなどの活用、各地での講演会の開催などを呼びかける。
 原発事故被害者の声や話を聞く機会を、学習会や被災地視察などを通じ、福島の方々と協力しながら、継続して行う。
 また連続学習会を開催する。

(6)さまざまな要求で一致する運動への参加と「安倍9条改憲NO!憲法を生かす3000万統一署名」の推進
 安倍政権による独裁的な政治手法は「原発再稼働」のみならず、「辺野古新基地建設」「消費税増税」「社会保障切り捨て」「雇用・労働法制改悪」「農業・農協つぶし」「教育改悪」等、多くの分野において共通しており、問題の解決のために一致するさまざまな分野の運動団体とともに、運動を広げていく。
 とりわけ安倍政権のもとでの9条改憲反対は多くの国民の声であり、安倍9条改憲NO!全国市民アクションが提起した「3000万統一署名」に積極的に取り組んでいく。

以 上